不動産の相続における共有持分とは?できることとトラブルも解説!
不動産の相続においては、相続人同士で共有持分を設定するケースがあります。
しかし、共有持分とは聞き慣れない用語であり、不動産の相続にあたって何を設定することなのか、イメージが浮かびにくいでしょう。
そこで今回は、共有持分の概要や設定時にできること、さらに相続の際に注意しておきたいトラブルについて解説します。
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売却査定フォームへ進む共有持分とは?不動産の相続前に押さえたい基本
ここでは、共有持分とは何かについて、基本的なポイントを整理します。
概要
共有持分とは、不動産を複数名で共有する際に設定され、各自が持つ所有権の割合を示します。
3人で1つの不動産を共有し、権利を等分にする場合、共有持分はそれぞれ3分の1となります。
共有持分が設定される主なケースのひとつは、不動産の相続です。
親が亡くなり、子どもが複数いる場合、全員が相続人となる可能性があります。
相続人が複数いる場合、1つの不動産を何名かが相続する方法として、共有持分が設定されることがあるでしょう。
また、複数名で資金を出し合って不動産を購入する場合にも、共有持分が設定されます。
不動産購入に資金を出した者は、その負担額に応じた権利を持つことが一般的です。
割合の決め方
共有持分において、具体的な割合の決定方法は状況により異なります。
1つの不動産を複数名で相続する場合、法定相続分に基づくか、遺産分割協議で決定します。
法定相続分は相続人の立場や人数によって異なるでしょう。
故人の配偶者と子ども2人が相続人となった場合、法定相続分は配偶者が50%、子どもが各25%となります。
法定相続分に従う場合、共有持分は上記の割合で設定されます。
別の割合に設定したい場合は、遺産分割協議で話し合いをおこないましょう。
一方、複数名で資金を出し合って不動産を購入する場合は、各自の負担額に応じて共有持分を設定します。
割合の決め方が状況によって異なることは、共有持分の基本的な事項として確認しておくべき点です。
共有持分の売買
一度設定した共有持分は、ほかの権利者に売却したり、反対に買い取ったりすることが可能です。
ただし、権利者同士でトラブルが発生している場合、互いに共有持分を売買することは難しくなります。
なお、共有持分の売却先はほかの権利者に限らず、取引相手として買取業者などを選ぶことも問題ありません。
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売却査定フォームへ進む相続前に押さえておきたい不動産の共有持分でできること
共有持分はあくまで部分的な権利であり、できることが限られている点は、不動産の相続前に確認しておきたい点です。
具体的に何ができるのかは、以下のとおりです。
保存行為
保存行為とは、掃除や敷地内での草むしり、雨漏りの修繕など、現状を維持するための行為です。
保存行為は基本的に権利者全員の利益につながるため、実施にあたってほかの権利者の同意は不要です。
対象の不動産に少しでも権利を有している者であれば、単独で実施しても問題ありません。
ただし、具体的にどのような内容が保存行為に該当するかは、曖昧な部分があります。
保存行為のつもりで実施したことが、後述するほかの行為に該当し、ほかの権利者の利益を損なうリスクも考えられるでしょう。
何が保存行為に該当するのか判断に迷う場合は、実施前に専門家に相談することをおすすめします。
管理行為
管理行為とは、不動産の性質や形状を変更しない範囲で、多少の変更をくわえる行為です。
たとえば、短期間不動産を他者に貸し出したり、室内をリフォームしたりする行為が該当します。
複数名で共有している不動産において、管理行為は特定の権利者だけで実施することはできません。
実施には、共有持分の過半数に相当する同意が必要です。
重要なのは、権利者同士の単純な多数決ではなく、共有持分を基準に過半数かどうかが判断されることです。
一例として、権利者が3人おり、1人が5分の3、残りの2人が5分の1ずつで共有持分を設定しているとしましょう。
この場合、共有持分の過半数に相当する同意を得るには、5分の3の権利を持つ者の同意が必要です。
残りの2人が同意しても、5分の3の権利を持つ者が反対すれば、共有持分の過半数に達しないため、管理行為は実施できません。
変更行為
変更行為とは、建物の解体や不動産の売却、建物の新築など、大幅な変更を伴う行為で、所有権を失う行為は処分行為とも呼ばれます。
不動産に与える影響が大きく、建物や土地が以前とは根本的に異なる状態となるため、実施には権利者全員の同意が必要です。
各自が持つ権利の割合に関わらず、1人でも反対する権利者がいれば、変更行為は実施できません。
なお、不動産を誰かに貸し出す場合、短期間であれば管理行為に該当しますが、長期間であれば変更行為となります。
長期間にわたって不動産を貸し出す場合、借主は法令で強く保護され、不動産の活用に強い制限がかかるためです。
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売却査定フォームへ進む共有持分で不動産を相続したときのトラブル
最後に、共有持分で起こりうるトラブルについて押さえておきましょう。
メガ共有になる
メガ共有とは、不動産の権利者が数十人以上に増えている状態です。
主な原因は、相続が繰り返しおこなわれるなかで、権利関係が整理されなかったことです。
相続後の権利者を適切に決定しないと、相続人全員が法定相続分に基づいて権利を得ることになります。
相続が起こるたびに同様の対応が繰り返されると、権利者が増え続け、最終的にメガ共有となってしまいます。
不動産がメガ共有になると、主なトラブルとして、誰が権利者であるかを特定するだけで時間と手間がかかることがあるでしょう。
また、権利者を特定した場合でも、不動産の管理や変更に関して同意を得られるとは限りません。
権利者が多く、各自が得ている権利が小さいため、不動産への関心が低くなり、管理や変更について相談しても回答が得られないことがあります。
相続をきっかけに不動産を共有する際は、メガ共有による将来的なトラブルのリスクに十分注意する必要があります。
ほかの権利者と連絡が取れなくなる
不動産を共有した際に起こり得るトラブルの一つは、ほかの権利者と連絡が取れなくなることです。
相続に伴う共有の場合、ほかの権利者は親族となりますが、現在では親族だからといって必ずしも付き合いがあるわけではありません。
親族同士の付き合いが減少し、遠方へ引っ越すことも珍しくなく、一度疎遠になると、共有不動産の売却時などに困難を伴います。
また、仮に連絡が取れたとしても、関係が悪化していると、不動産の売却などについて話し合いが進めづらくなります。
さらに、ほかの権利者と疎遠になると、相手が亡くなることもあり得るでしょう。
その場合、相続によって権利者が変わり、連絡を取る難易度がさらに上がることになります。
共有物分割請求を受ける
共有物分割請求とは、共有状態を解消するための訴訟です。
この訴訟がよくおこなわれるのは、不動産の相続において、ひとまず法定相続分に基づいて共有した場合などです。
不動産を共有すると、活用手続きの煩雑さや税金の負担などからトラブルが生じやすく、共有物分割請求に至るケースは珍しくありません。
訴訟によって共有状態を解消する場合、現物分割、価格賠償、競売などの方法が適切に裁定されます。
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売却査定フォームへ進むまとめ
共有持分とは、不動産を複数名で共有するときに各自が得る所有権の割合であり、具体的な割合は、相続では法定相続分にあわせるか遺産分割協議で決めます。
不動産を共有しているとき、保存行為は各権利者が単独で実施できますが、管理行為は共有持分の過半数に相当する同意、変更行為は全権利者の同意が必要です。
起こりえるトラブルには、将来的にメガ共有になる、ほかの権利者と連絡が取れなくなるなどがあります。
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